お茶(茶道)について「知・聞・感・楽」

Story no.2

「おもてなし」以上の「おもいやり」

体験教室などで「お茶とは…」と様々な言葉で説明されます。例えばよく使われる「一期一会」
お茶では、この席(出会い)が最初で最後のような気持ちで応対することが大切である、などと言われます。そのための様々な所作(動作)があります。なるほど、と思いつつも少ししっくりこないので、自分なりの最適な言葉を考えていて思いついたのが「思いやり」でした。

つい最近、あるお茶席で席主から「お茶は今流行の『おもてなし』以上の『おもいやり』なのです」の話がありました。我が意を得たりでした。客を迎える側(亭主)は招いた客に喜んでもらおうと、茶席の設えや数々の道具の準備を一か月も前から考えます。時によっては茶室へと導く庭=露地(ろじ)を掃き清め、水を打ち、木々の葉の一枚一枚を拭いたり。席入の前に手を洗い、口をすすぐ蹲(つくばい)も洗い、冬には温かい湯などを入れ客人を迎えます。

ですから、迎えられる客も茶席に入ったときは、飾られた床の間の掛け軸や花や数々の道具を愛で楽しんでもらいたいのです。亭主の心配りも感じられると素敵な茶会になると思います。
よく解らないし面倒と思われる茶碗を回す動作も「おもいやり」なのです。

お茶は季節感を大切にします。正月から師走まで、春夏秋冬その時季を感じられる自然の花や照葉、地域の伝統行事にあわせて茶道具も考えます。

例えば茶碗だって厳冬期には寿司屋の湯飲みのような筒(つつ)茶碗、真夏の暑い時期は大きく開いた平(ひら)茶碗やガラス製の茶碗、桜や紅葉や季節の草花を描いた茶碗。棗(なつめ=薄茶器)の絵や模様、時には蓋の裏も書いてあります。水を入れておく水指(みずさし)にも、内側に花や魚の絵などで夏には涼しさを演出したり。床の間の掛け軸も春の芽吹き、山の新緑や夏山の深緑、錦秋を想像させる言葉など。そんな亭主(席主)の心配りを感じられるとより楽しさが味わえます。

参加した茶会で隣の客同士も、先にいただく場合は後の客に「お先に(いただきますの意)」と言葉と共に一礼、後からいただく方は先の客に「ご相伴いたします(もう一服いかがですかの意をこめて)」そして茶を煎れてくれた亭主に対して一礼とともに「戴きます」と感謝を込めた言葉を。


●あっちに回したり、こっちに回したり面倒だが…
出された茶碗を回して飲む理由。基本的に亭主は客に対して茶碗の顔(正面)を向けて出します。客は茶碗の顔の部分に口を付けることを避けて90度位横で飲みます。飲み終わったら元に戻して茶碗を眺め、茶碗を返す時には亭主に茶碗の顔を向けて返すのです。これもおもいやりでしょうか。実はもう一つ理由がありますが…。

茶碗は丁寧に扱いたいです。大事な茶碗ですから、特に陶器は爪で傷つくこともあるので気を付けて取り扱いたい。なお、一服(一椀)のお茶は概ね三口半湯量で点てます。最後の半口で吸い切りますが茶が残っていると「不味かったのかな」と亭主は思うかもしれません。ただ、あまり細かいことを考えて飲んでいても美味しくなくなりますで、気軽に、こぼさず飲むことが一番です。

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Japanese HIRO

PROFILE

Japanese HIRO()
元矢板市職員、会計管理者で定年退職。今、矢板市商工会職員で残り少々。
体育会系で、汗をかくスポーツ大好きですが、年々体力は減衰。スキー、野球(ソフトボール)、陸上競技(投てき。中学時代は長距離系で県大会にも出場)、学生時代に馬術をちょっと。
文科系の趣味も少々。木版画で年賀を毎年手作りし30年。音楽は抒情系、癒し系が好き。浮世絵や日本画、京都、奈良、文化財等の鑑賞も好き。
アルコールも種類問わず好き。でも今は…。
B型の故か、集中するけど飽きっぽい。
何事も「ヤルなら楽しく」がモットー。

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