お酒に隠された秘密をとき明かします

Story no.2

白ワイン・ロゼワイン

2014.06.01

ワインといえば赤ワイン。これがワイン通の合言葉のようになっています。確かに赤ワインはおいしい。しかし、「蒸し暑いこの季節にはやっぱり白やロゼワインだよな〜」というのがオールラウンド・プレイヤーならぬオールラウンド・ドリンカーを自称する小生の本音。冷えた白やロゼを注いだグラスに付いた露をめでながら飲むスッキリとした味わいはコタエられません。

ところで皆さん、皆さんは白ワインにどんな風味を感じるでしょうか。もちろんワインはブドウだけで造られているのだから、ブドウの味だと言うでしょう。でも、白やロゼワインの風味はもっと複雑。色々な風味が感じられます。

「輝きのある淡い麦藁色。桃のような香りや、ペッパー、様々なスパイスに加え、かすかにアスパラガスの風味も感じられる。最初はシルキーに感じた口当たりは次第に熟したニュアンスになり、ペッパーやメンソール、ミントの爽やかなフレーバーへと変化する。上品でドライな余韻はかすかに甘いペッパーを感じ、いつまでも長く続く。」

ある高品質白ワインの味わいを表現したワイン専門誌「インターナショナル・ワインセラー」の一文です。“味わい”のイメージが浮かぶようなコメントだと思いますが、如何でしょうか。

実際、白ワインにはレモンやライム、柚子、オレンジなどの柑橘類だけでなく桃や洋梨、メロン、パッションフルーツなどの果実、更にハーブやスパイス、ミント、磯や潮の風味、アスパラガスやレタスなどの野菜、ヨーグルトや生クリームなどの乳製品、パンやトースト、蜂蜜などの様々な風味が感じられます。

ロゼワインにはイチゴやサクランボ、クランベリーやスパイスなどの風味が感じられます。もちろん、一つのワインにこれらの風味がすべて感じられるわけではなく、これらの風味の中のいくつかが感じられる、ということです。

白ワインの味わいは酸味が中心になります。その酸味に甘味、渋味、苦味、塩味、旨味が絡み合って一つのワインの風味として現れます。ロゼワインも同様ですが、渋味が白ワインよりもやや多めに感じられると思います。ロゼワインの風味は赤ワインに7〜8倍程度の量の白ワインを加えたようなイメージ。(実際のロゼワインの造り方はこのように赤と白ワインを混ぜ合わせるのとは異なります。)

白ワインには白身の魚がよく合います。爽やかな酸味と柑橘類の風味が豊かな若々しい白ワインなら刺身、特に白身やホタテなどの貝類、寿司、塩焼きの魚にはもってこい。ムニエルやフライにもよく合いますが、トーストやバターの風味を感じる一段とコクのある白ワインを選べば更にリッチな味わいが楽しめるかもしれません。

天麩羅も白ワインによく合います。白絞油やサラダ油で揚げた淡白な天麩羅を塩で食べるなら、少し甘みのある爽やかな風味の白ワインか、天つゆで食べるならもう少し甘みとコクのある白ワインの方が天つゆの風味にマッチするかもしれません。

更に多少胡麻油を混ぜて揚げた天麩羅ならまろやかなコクと樽熟成をした香ばしい風味がある白ワインがいいかもしれません。焼き鳥の塩焼きや豚シャブ、ソーセージの料理にも白ワインはよく合います。少し白コショウなどのスパイスの風味を感じる白がおすすめ。

ロゼワインはちょっとスパイシーな味付けの料理によく合います。エビのチリソース炒めなどの中華料理には辛口ロゼワインにピッタリです。また、ちらし寿司には優しい風味のやや甘口のロゼワインがいけます。サンドイッチにロゼワインもいいですね。

さて、先に書いたある高品質白ワインのコメントですが、実は辛口白ワインの銘酒として知られるシャブリ・プルミエクリュの風味を表したものです。このシャブリ・プルミエクリュ、これから旬になる旨みに富んだ岩ガキにピッタリのワインです。

ちなみに白やロゼワインに豊富に含まれる有機酸には食中毒を防ぐ効果があると言われています。うっとうしいこの季節、爽やかな風味の白やロゼのワインはいかがでしょう。

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小川 素市

PROFILE

小川 素市(おがわもといち)
新川屋(しんかわや)酒店三代目。61才。
酒の話になると止まらないという噂も。

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